野菜や果物を市場出荷する際はJAなどで出荷規格が定められている。先ずは外見の品質で良い物から秀、優、良とか、近年ではA品、B品とかに区分しこれを等級という。当然中身が充実していることが前提で、形の良し悪しや傷の有無、色揃いなどが影響する。次は、大きさでL、M、Sとか一箱の入り玉数などで表示しこれを階級といい、あわせて等階級という。
かぼちゃは10㎏ダンボール箱で出荷する。一箱に入る個数により3玉、4玉、5玉・・・とし、それぞれ一個の重さが定められている。こちらでは個人選別なので一個一個重さを量らなければならず手間がかかる反面、共同選別の経費が引かれないので実入りが良い。
抑制かぼちゃとは通常、春に植え付けて夏に収穫するのに対し時期を遅らせて夏に播種して秋遅くに収穫するものである。省力的で短期間に収穫できるなど利点がある反面、暑さを乗り越えなければならない難点もある。 当地JAでは抑制かぼちゃは関西方面の市場へ値決めで出荷されており、等階級別の価格は図のとおりである。
市場と言えば”セリ”が連想され、売値は”市況”に左右されたり産地間競争があったりと不安定なことは確かである。そういう点で値決めは安心して栽培に取り組むことができ、高い安いは別にして買って貰える人のことを考えると世話のしがいがあるというものである。

市場ではかぼちゃは等階級により価格が異なる。セリでも値決めでも概ねこのようなものであろうか。当然のことながら秀品は高く、優品は20%ほど安くなる。大きさ別では一箱の入数5、6玉が割り高なのが明らかである。不思議なのは一玉当たりの価格である。5玉は2kgで500円余りなのに対し3玉、4玉は1.6~1.3培も重いのに価格はほとんど変わらないのである。切って食べれば同じなのにと思う。生産者としては「でっかいかぼちゃが穫れた!」と喜んでいられない。
出荷に使うダンボール箱と運賃はかぼちゃの値段に関係なく必要な固定費であり、”もうけ”を考えると秀品率を上げる事、価格の高い5、6玉のかぼちゃを作らねばならない。これが所得に影響する。
抑制かぼちゃ、今年の出荷実績を検討した。

出荷できない外品は数えていないので大雑把に推計しての結果でみると秀品が約63%、優品が25%と合わせて約90%が出荷できた。格落ち原因の中で改善の余地があったことなど反省点はある。
大きさ別では価格の高い5、6玉が約50%を占めておりほぼ良好な結果であった。8、10の小玉も少なからずあったが、おまけに着果したものと思えば由である。栽培面で功を奏したことと言えば潅水であろう。葉が大きいため蒸散が多いのに根の張りが浅いというかぼちゃのこと、世話をした甲斐があったのだろう。
ちなみに品種は”えびす”。重さ以上に図体もデカかったのだろうか、箱に収まりきれず詰めるのに難儀した。
自然相手で体力と気力があっての農業である。目標を掲げればそれを達成するために労力が付いて回る。自分を余り追い込まないで効率的にいきたいものである。
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