なんで適芯するのか?
伸びている親蔓の先っちょを切り取ることを摘心という。芯を摘まむともいう。摘芯すると株元の葉の付け根(節)から子蔓が出てきて、手足を広げたように幅広く生長する。
同じウリ科のメロンやカボチャは1本の蔓に1個の実を成らすが、スイカは蔓2本でⅠ個の実を育てるのが基本である。光合成で作った養分を実に蓄えて大きくなるため、メロンやカボチャに比べて葉の枚数が多く必要になるというわけである。より大きいスイカにするため3本の蔓に1個の実を成らす場合もある。
小玉スイカは小さいので蔓3本で実2個という感じである。
種や苗の購入代金を考えた場合、より多くの物を穫りたいと思うもの。先ずは芯を摘まんで子蔓を数本伸ばすことが大事である。スイカ栽培では必須な作業事項である。
摘心方法 その1
JAすずしスイカ部会では蔓を8本伸ばして4個の実を穫ろうとしている。当地で奨められている摘心の方法は次とおりである。
苗を植えると親蔓が伸びる。葉が12枚ほど伸び隣の株に届きそうになったら摘芯する。株元の方から8本の子蔓が伸びてくれればいい。その際、写真のように株元から伸びている長い子蔓を除去するのがポイント。親蔓の中、上位から出てくるできるだけ長さの揃った蔓を育てるためである。

摘芯方法 その2
本年、新たに試してみた。
今のやり方は親蔓が一方向に向いているため”何となく”であるが、バランスが好ましくないのである。
そこで、試しにと思い一畦分の72本について苗の時点で摘心し、子蔓が2本出た苗を定植した。

生育状況は写真のとおり2本の蔓が左右、一文字状に伸びて自分ではバランスの良い状態だと自分で評価している。あとは左右の子蔓からそれぞれ4本の孫蔓が出てくれば大満足である。
一株から伸ばす蔓の数8本は着果枝といい、子蔓でも孫蔓でも同じように実がなる。重要なのは着化させる蔓の節位で、一般に18~20節に着果させるが良いとされている。短い蔓に良い実は成らないということである。
この後の生育状況についてはまた、機会があったらお知らせしたいと思う。

まとめ
接木、摘芯、脇芽取りなどと植物をいじっている。人間でいえば大手術をして収獲の恩恵を頂いている。
自然の力だろうか、植物の生育力は強い。
摘心作業ではできるだけ鋏を使わない。タイミングが遅れないよう指先でつまめる、蔓先が柔らかい内に行う。こんなことが作物に対するショックを和らげるとともに、生育ロスを少なくすることにもなる。
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