事の始まり

 これまで野菜の育苗床は一般的な地床で、地面を掘り上げて断熱材を敷いた上に電熱温床線を張り土を埋め戻したものであった。毎年作り変えするのは面倒なので育苗の用を終えるとほとんど放置状態で雑草が生えたりネズミが穴をあけたりと翌年の使用には多少の修繕が必要であった。

 いわゆる万年床状態で温床線が切れていない限り4、5年は使えることができていた。温床線が切れると土を掘り起こして温床線を張替えしなけれまならず苦痛のタネであった。そこで、土の代わりになるものはないものだろうかとネットで調べたり、ホームセンターで探したりしている時、ふと思いついたのがベンチ(高設育苗装置)であった

 今年は種まきを急ぐつもりがなかったこともありこれ幸いとばかりベンチを作っている。材料は在庫で持っていたハウス用の鉄パイプと雪で倒壊したハウスの組み立て部材である。いわゆる新品ではなく、錆びていたり曲がっていたりという直接金のかかっていないものである。

こんな感じ

 設計図もなく具合いが悪ければ取り外しがきくものでもあり、試行錯誤のことではあったが、思いのほか順調にしっかりしたものが出来つつある。支柱と骨格はパイプで、台の枠と床はベニヤなどの板である。

 ベンチ作りの目的はただ単に台に苗を乗せるためではない。大きなポイントは1kw/120mの電熱温床線を効率よく敷設するようベンチの面積(幅と長さ)が大事で、発芽用単なる育苗用の能力の違ったベンチ2基をハウスの中にいかに配置するかであった。

 もう一つのポイントはベンチ床面を水平にすることであった。この理由は潅水を底面給水としているためトレイに並べたポットに水を均等にいきわたらせる為である。

良い点、悪い点

 ベンチの良い点として先ずは人に優しいことがある。管理作業や苗の移動・運搬の際は腰を下ろさずに作業できることが良い。また、目線に近いところで生育状況を観察できること、土を使わないため育苗が終わった後は草やネズミもつかず損傷が少ないことが考えられる。

 悪い点としては、地床では床を踏み越えて横断することができたが、ベンチでは跨ぐこともできずグルッと一回りしなければならないことになりストレスを感じるかもしれない。縁の下をくぐるのもまた、如何なものだろうかと、、、 他に、ハウスは育苗用とはいえ利用効率が低いこともある。また、考えることにしよう。

 最後に、何にも増して良かったことは「楽しかった」ことである。暇な冬、何もしないでいるよりあれこれ工夫しながら無心に作業していることが楽しかった。

 完成までにあと少し。断熱材を敷いて温床線を張り、さらにその上に難題である土の代替資材を乗せる。果たして所期の目的である温度が得られるかが問題である。結果のほどは別途、記載できればと思う。

 

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