先に育苗ベンチの土台作りを紹介した。ビニールハウス用の25㎜の鉄パイプで、ハウス用の部材を使って組み立てたものである。作った二基のうち一基は発芽用で温床線がやや密に張ってあり、もう一基は鉢上げした苗を育てるものである。
仕上げは断熱材と温床線の上にかける土の代替資材である。
断熱材はホームセンターなどで見かける発泡スチロールのようなボードで、建築資材として使われるものを使用した。冬、車で走行中、橋の上がよく凍結する場面に遭遇するように、中空にあるベンチは地床に比べて熱が逃げやすいとの思いで50㎜のを敷き詰めた。さらにはベンチの脚部分には腰巻をたらせば冷えをより防ぐことができるであろう。

さて、本命である土の代替資材である。使ったのはグラスウールである。よく似たものとしてロックウールがあり、いづれも断熱用に使われる建築資材である。断熱資材のため温床線の熱が伝わるだろうかとの大きな疑問があった。土も使い方によっては断熱資材である、これまで地床でも土が乾くと水をかけていたように、グラスウールに水を含ませることにより目的が達成された。
グラスウールは軽くて扱いやすく、綿のように細い繊維が集まったフカフカしたものである。吸水性が極めて悪く、均一に水を含ませるのが難しい。界面活性剤を加えたり工夫はしたが、それでも水がぼた落ちすると凹んでしまったりする。温床線プラス蓄熱層としての厚さを確保するため50㎜のものを二重に敷いたりした。

潅水の水がグラスウール流れないようにポリなどを敷くほか、グラスウールの上には厚手のシートなどをかければ苗箱の引きずらしも容易にできる。
土の難点は温床線が痛んだ際の交換であった。土を掘り起こして温床線を敷き直し再度、土をかけて均平に均す。温床線が痛まないのが一番良いが、もし傷んだ際にも簡易に交換できるであろう。
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